新高島、という小さい駅があります。

最近は行っていないのですが、
息子がまだ保育園児だったころは
アンパンマンミュージアムに行くために良くその駅に降りていました。

降りるというか、エレベーターに乗って地上に上がると、その頃は、
ところどころに空き地がある、あまり整備されていない風景がひろがっており
アンパンマンを愛する息子が走り出すのを追いかけたものでした。

そして新高島には横浜BLITZという場所もあります。
位置は、新高島駅からアンパンマンミュージアムに向かう道の途中。
走り出す息子を捕まえて、車道の反対に見えるその建物を見ながら、
「子どもがいるからライブにはいけないなあ」と
ぼんやり考えていました。

昔、音楽が好きで、また、あるバンドが好きで、よくライブに行ったものでした。
しかし、好きなバンドは、ある時期活動を停めてしまっていました。
その間に、仕事に打ち込み、夫と出会い、息子に恵まれ、
そうこうしているうちに、
若い頃の自分を懐かしむ思いで苦しくなることがありました。
横浜BLITZが見える場所にいるのに、その中に入ることができない自分。
その現実は自分が選んだものであるのに。

横浜BLITZはもうすぐ閉館なのだそうです。
もともと期間限定の建物であったそうで。
1回くらい入ってみたかったなあ、なんて思っていたら
活動を停めていたバンドが、数年前に再び動き出していて、
しかも横浜BLITZでライブをやることを知りました。

そのバンドのことを忘れていたわけではなかったと思います。
ふとしたときに、あっ、と思い出すことがありました。

宝塚好きの義姉に連れられエリザベートという演目を観たときに
少年ルドルフが歌う歌を聴いて
「あのバンドのギタリストの少年時代みたいだ」と思ったり。
ファントムという演目を観たときは、主人公がヒロインに素顔を見せてと
言われたから見せたのに、悲鳴を上げて逃げられてしまった場面で
「この設定であのバンドのボーカルに詩を書かせたら、さぞかし…」と思ったり。

しかし、そのバンドがまた動き出していたことは知りませんでした。
私の、情報をキャッチするアンテナは錆び付いてしまっていたのです。

でも、そのバンドが横浜BLITZでライブをやることを知ってしまいました。
日程は、私がとても行きやすい日。

行くしかないかな、と、久方ぶりにチケットを取りました。
コンビニのコピー機でチケットがとれるなんて初めて知りました。

なくなってしまう前に、知ることができてよかった。
ライブ、たのしみだなあ。

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